「ホームヘルパー2級」に変わり<br>新しくスタートした介護の研修課程

介護職員初任者研修の概要 介護職員初任者研修創設の経緯 介護職員初任者研修の特長 ホームヘルパー2級との変更点

介護職員初任者研修の概要

「ホームヘルパー2級」に変わり新しくスタートした介護の研修課程

介護職員初任者研修とは、2013年4月から「ホームヘルパー2級」に変わり新しくスタートした介護の研修課程です。

ホームヘルパー2級と同じく、訪問介護事業に従事している方、これから介護の業務に従事しようとする方などが対象となります。

訪問介護、在宅・施設介護を問わず最低限の知識・技術とそれらを適用する際の考え方の プロセスとして身につけ、職場の上司の指示を受けながら基本的な介護業務 を実践できることを目的として行われるものです。

ホームヘルパー2級からの変更点はいくつかありますが、名称が変わっても、研修課程の役割や根幹の部分は同じと考えてよいです。

介護職員初任者研修創設の経緯

介護職員初任者研修が創設された経緯

介護保険制度創設後、介護職員数は大幅に増大していますが、高齢化の進展より2025年には介護職員は現在の 1.5 倍(約237~249万人)必要とされています。

従来の介護分野には、従来の訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修 や介護職員基礎研修、介護福祉士など、様々な研修・資格が存在していました。

しかし、その資格や研修は順序立てて連動していなかったため、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得る方法が幾つもあるだけでなく、複雑であった為に、受験資格の有無や資格取得のプロセスなど大変分かり難いという問題がありました。

そうした問題を解決するために、介護職員初任者研修として研修を一本化し、介護人材のキャリアパスをわかりやすくすることで、多様化する介護のニーズにスムーズに対応出来るようになりました。

介護職員初任者研修の特長

資格の効力

既にホームヘルパー2級をお持ちの方は、改めて介護職員初任者研修を受講する必要はありません。ヘルパー2級取得者は介護職員初任者研修修了者としてみなされます。

ホームヘルパー2級養成研修は「廃止」になりましたが、ヘルパー2級の資格自体が無効になるわけではありません。

実務者研修の受講時間の一部免除に

介護福祉士を目指すために必要な実務者研修は、通常450時間のカリキュラム履修が必要になりますが、ヘルパー2級もしくは介護職員初任者研修をお持ちの方は、130時間が免除され、320時間で修了することができます。

尚、実務者研修は初任者研修を持っていない方でも受講可能です。実務者研修(無資格者は450時間)を修了すると、初任者研修も修了したとみなされます。

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「介護職員 初任者研修」

まず介護職の基本的なマインドや技術を学ぶための研修です。

「介護福祉士 実務者研修」

様々な事例から、介護職の実践的な技能を学び、現場で必要な知識、マインドも併せて学びます。2017年1月の試験より、受験資格として実務者研修終了が新たに加わりました。

「介護福祉士」

今後、介護職の中心を担います、喀痰吸引や胃ろう排泄などの医療行為や訪問介護におけるサービス提供責任者や定期巡回・随時対応型訪問介護看護におけるオペレーター等、今後の必要される場面が更に増えていきます。

「認定介護福祉士」

介護福祉士の上級資格として検討されています。より高い介護福祉の実践力をもって介護サービスマネジメントを行い、他職種との連携強化や地域包括ケア等に対応できる介護福祉士の養成を目指します。

「ケアマネージャー」

利用者様の相談に応じた、介護サービスの計画を作成する業務を担います。

ホームヘルパー2級との変更点

修了試験の実施

介護職員初任者研修では、130時間とは別に修了評価試験が必須になります。

都道府県により多少異なる場合がありますが、東京都福祉保健局の公表によると、問題数は最低32題となり、各科目から1題以上の出題が原則となっています。

修了試験は都道府県ごとの統一されたものではなく、各スクールが問題を用意して実施しています。授業を正しく理解できているか確認する意図が強いので、しっかりと授業を聞いていれば問題なく合格できるくらいの難易度となっています。
また、不合格者に対しては、「速やかな補講と再試験の実施」が都道府県の指定要領に入っていますので、各スクールも再試験対応を行っています。

30時間の「実習」が廃止

ヘルパー2級では、施設で約5日間の施設実習・ディサービス実習・訪問介護実習を行いましたが、介護職員初任者研修ではこれが廃止になっています。

派遣先の施設によっての実習内容の差や、トラブルなどのリスク回避などが理由と言われていますが、実習は介護現場を知ることができる大切な機会でもあるので、一部のスクールでは任意で実施しています。

スクーリング時間の増加

より専門的な知識を学び、介護の技術を確実に身に付けるため、スクーリングの時間が増加しました。
ヘルパー2級よりも通学する時間が増え、通信教材を使った自宅学習の時間が減ることになります。

自宅学習が40時間、スクーリングが90~95時間(15日前後)がだいたいの目安になります。

認知症ケアについての科目を追加

介護職員初任者研修には『認知症の理解』が新たに追加されています。

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。

認知症患者数が、高齢者の人口比率と共に増加傾向にあると、厚生労働省の認知症に関する資料でも発表されており、介護現場においても、認知症ケアに対応するために認知症介護実践研修を設けるなどの対応を行っています。

認知症ケアのカリキュラムを初任者研修に追加することで、より多く対応できる人材を確保することが重要な課題の一つとされています。